ホワイトにも種類によって性質の違いがあります。その用途によって使い分けができなければ、高度に完成された絵は期待できないといってもよい位、ホワイトは細やかな色感と多様性をもった絵具なのです。そこで各種ホワイトの様々な特色を下の表で比較してみましょう。
ジンクホワイト | チタニウムホワイト | シルバーホワイト | パーマネントホワイト | |
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固着力 | 小 | 大 | 大 | 大 |
着色力 | 小 | 大 | 中 | 大 |
ジンクホワイト | チタニウムホワイト | シルバーホワイト | |
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混色 | どの色とも自由 | どの色とも自由 | どの色とも自由 |
人体への影響 | 無害 | 無害 | 有害 |
硫黄ガスの影響 | なし | なし | 黒変することがある |
その他の特徴 | 有色絵具に喰われる | 有色絵具を喰う | マダー系の紅色を吸収 |
※
(1)着色力の大きいチタニウムホワイトを混色に使う時、色調を喰われないように注意。
(2)シルバーホワイトは有害ですから、使用後はよく手を洗ってください。
(3)地塗りにジンクホワイトは禁物です(亀裂をおこします)。
(4)チョーキング…絵具が乾いてから、表面のツヤを失って、チョークのはだのように粉っぽくなってしまうこと。
ブラックもホワイトと同じことが言えます。その特色を理解して、上手に使い分ける事が大切です。
アイボリーブラック | ランプブラック | ピーチブラック | ブルーブラック | |
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色調 | 赤味のある 暖かい感じの黒 |
青味のある 冷たい感じの黒 |
やや青味のある 冷たい感じの黒 |
赤味のある 暖かい感じの黒 |
着色力 | ランプブラックに 次ぐ着色力をもつ |
ブラックの中で最大 | ブラックの中で最小 | ピーチブラックより わずかに大きい |
その他の特徴 | カビが生える事がある | 粒子が非常に細かい | 油との練り調子が とりにくい |
※色調の変化は、溶き油でうすく溶いた時や、他の淡い絵具と混色した場合にいっそうはっきりわかります。