A. 顔料と呼ばれる色の粉(着色剤)とオイル(乾性植物油)からできています。 オイルは、顔料をキャンバス等に定着させる接着剤の役目があり、酸素と反応して固化・乾燥する乾性植物油が使われ、 主にリンシードオイル(亜麻仁油)とポピーオイル(芥子油)が用いられます。
A. 顔料とは、水や溶剤などに溶けない色の粉(着色剤)の事をいい、「無機顔料」と「有機顔料」の二つに分類されます。一般的に「無機顔料」は不透明色が多く、耐光、耐酸、耐薬品性が良く、「有機顔料」は色調が豊富にあり、「無機顔料」と比べて色の鮮明さがあります。上記の顔料の中から、油絵具に適した顔料を選択していきます。油絵具は何年、何十年もの長期間保存出来るような堅牢性の高い顔料が必要となりますから、顔料の中でも最も高級で品質の高い材料が使われています。
A. ローアンバー、ローシェンナー、バーントアンバー、バーントシェンナ-、ライトレッド(弁柄)など褐色系の色になります。
A. 水彩絵具の場合、溶剤である水が蒸発し、顔料と糊剤(接着剤)が残る状態を乾燥といいますが、油絵具の場合は蒸発ではなく、オイルが固まった状態になって乾燥したことになります。つまり乾性油が酸素を取り込み、固化乾燥します。リンシードオイルは乾性油の中でも酸素と結びつく構造が多い油で乾燥しやすく、ポピーオイルのように酸素と結びつく構造が少ない油は乾燥がやや劣ります。これは脂肪酸の中のリノレン酸などの含有率によって決まります。乾燥の早いリンシードオイルは黄変しやすい欠点があり、一方のポピーオイルはリノレン酸は殆ど含まれず、リノール酸の含有率が多いため黄変しにくいという長所があります。
A. 明るい色にはポピーオイル(ホワイト系、コバルト系、カドミウム系等に使用)を、その他の色にはリンシードオイルを使用しています。これらのオイルは自然に放置すれば乾燥しますから、乾性植物油といわれています。弊社の油絵具の中では専門家用油絵具、クイック油絵具に使用しています。スーパー油絵具は顔料の黄変を防ぐため全色ポピーオイルが使われています。
A. 真正品が高価なため、他の顔料で色合い(TINT、SHADE)を近似させたものです。代用品とは言え、耐光性のある顔料を使用していますから本物に劣らない発色効果があります。安心してご使用ください。
A. 油絵具は酸化重合によって乾燥しますから、乾燥促進剤である画用液「シッカチーフ」か「シッカチーフペール」をお使いください。この他には速乾性効果のある「クイック画用液(4種類)」をお奨めします。また、ホワイト等で有色絵具と混色して色を作る場合、クイックのホワイト等を使用すると、乾燥を早める効果があります。
A. クイック油絵具は、わずか1日(24時間※指触乾燥)で乾く特長を持つ速乾性油絵具です。亀裂や変色に関する数多くの試験をパスしていますので、品質の面でも安心です。乾燥時間の大幅な短縮で、制作能率も上がるに違いありません。冬季の制作や、急ぎの制作に是非ご利用ください。
A. 消費期限は設けていません。保存状態にも関係してくるものと思われますが、今のところ、昭和30年代に製造された油絵具が保存されていましたので、保管条件が整っていれば長期間もつものと思います。
A. 顔料の性質によって異なります。無機顔料のような金属が成分としているような顔料は乾燥を早める特長があります。特にプルシャンブルー、ビリジャン、褐色系、コバルト系が該当します。一方有機顔料は乾燥を遅らせる性質のものが多く、このような性質の絵具には乾燥促進剤を加えて調整をしています。
A. 一旦亀裂を出たところに何かの絵具を塗っても、また、亀裂が出る可能性があります。
A. 膠水との混合は可能です。膠水になじみにくいものは、アルコールを少量加えるとなじみ易くなります。
日本画に十分対応できる顔料です。
A. 出てきた油は顔料と分離したメディウムです。油絵具の場合、主成分は練油になります。絵具と混ぜ合わせても、紙に吸わせて捨ててもどちらでもかまいません。
A. 金属のキャップでしたらライターなどで温めて開けることが可能でしたが、現在はプラスチック製のキャップが殆どです。ライターなど使用すると溶けてしまいますから、プライヤーという工具を使って開けるかキャンバス貼り器等で開けてください。それでも開かないい時は、温水などを利用してみてください。油絵具は接着剤と同じようなものですから気を付けましょう。絵具は基本的に使い終わったらキャップについている絵具を完全に拭き取ってから締めるようにしてください。
A. 絵具の原料となる顔料によって違います。価格の高い顔料を使用した絵具は高くなり、安い顔料を使用した絵具は安くなります。
A. 酸化亜鉛が入っている絵具がひび割れを起こすことはありません。亀裂はまた別の問題になります。
A. 多少関係するものと思われます。基本的に油絵具は酸化重合で乾燥しますが、気温の高い夏の方が乾燥が速くなり、気温の低い冬は夏よりやや遅くなります。温度が高くなると酸素の吸収が高くなり、化学反応が進みやすいということでしょう。
A. 油絵具に使用されている顔料は化学物質からできています。絵具同士を混色した場合、顔料同士の化学的反応が起こるかどうか、理論上考えられる絵具に対して、記号を付けてカタログに表記されています。例えば、塩基性炭酸鉛を主成分とするシルバーホワイトと硫化水銀から成るバーミリオンを混色するとS(硫黄)+Pb(鉛)→PbS(硫化鉛)という具合に、黒い色素をもった物質に変化するはずです。ところが実際にマツダの研究室で古くから行っている自社混色試験では変化がみられないのです。選り抜きの精製された顔料を使用しているマツダ絵具同士の絵具ならば、自由に混色をしても化学的変色は認められていません。安心して混色してお使いください。
A. マツダ・スーパー油絵具ですと、「シアニンブルー」「パーマネントイエローライト」「スーパーマゼンタ」が該当し、
マツダ・専門家用油絵具ですと「チャイニーズブルー」「パーマネントイエロー」「マゼンタ」となります。
A. 「~ライト」又は「~ペール」は元の色に対して明るい色相であることを意味し、「~ディープ」は暗い色相であることを意味します。
A. 着色力は、「チタニウムホワイト」→「シルバーホワイト」→「ジンクホワイト」の順となります。「チタニウムホワイト」は、下に塗った色を完全に覆い隠す強い白です(※ジンクホワイトの5倍程被覆力・着色力があります)。また、混色が自由にでき、毒性もありません。「シルバーホワイト」は、有色絵具と混ぜると暖かい感じになり、人物画によく使用される白で、透明感が出ます。「ジンクホワイト」は青味のある白で、ホワイトの中で白さが最も弱いですが、どのような色とも混色が可能で変色がありません。毒性もないので、学校の授業等、最も一般的に使用されるホワイトです。
A. 着色力・隠蔽力は「ランプブラック」が一番強く、次いで「アイボリーブラック」→「ブルーブラック」→「ピーチブラック」の順となります。「ランプブラック」は、深い黒色で青味のある冷たい感じの黒です。「アイボリーブラック」は、黒でも赤味のある暖かい感じの黒で、「ブルーブラック」は、やや青味のある冷たい感じの黒、「ピーチブラック」は、青味のある冷たい感じの黒となります。
A. 市販のキャンバス布、パネル、ボード等の基底材に油絵を描く場合、発色やマチエールの密度表現のための白色、有色の油絵具を地塗りすることがあります。地塗りすることにより、その上に塗る有色絵具の発色とノビをよくするので、大変重要な役割を果たします。
A. 地塗り用に開発されたキャンゾール、またはファンデーションホワイトとなります。
A. 単独であるいはペトロールで薄めてでも使用できますから、F10号キャンバスが10~20枚程度塗れます。
A. 速乾性ですから約1日で乾燥しますが、塗る厚さに関係します。指触乾燥で確かめ、キャンゾールが中まで充分乾燥していることを確認した上で、絵を描き始めてください。
A. キャンゾールは油性の地塗り塗料です。油性地の上に水性絵具は弾きやすくなりますから、アクリル絵具で作業をする場合はジェッソで地塗りすることをお奨めします。
A. チューブに入っている粘度のある地塗り用油絵具です。好みの厚さに塗ることが可能ですから、対象に応じてマチエール効果を存分に発揮できます。但し、一度に厚く塗ると乾くのに長時間必要となるため、厚く塗りたい時は、薄く数回に分けて塗ることをお奨めします。
A. 問題はありませんが、下地材の光沢を嫌う場合は、適宜ペトロール又はテレピン油を混ぜてご使用することをお奨めします。特に下地材になるものは光沢が出ると、上に載せる油絵具に問題を生じる場合があります。速乾性画用液は光沢がでる可能性があるため、あらかじめ確認をした上でご使用ください。
A. 膠と混ぜた時に「仕上げ用」の方が「下地用」よりも白く綺麗です。
A. 基本的に「シッカチーフ」は黒等の暗色に使用し、「シッカチーフペール」はホワイトや淡色等の明色に使用します。
なお、乾燥力は「シッカチーフ」の方が強いです。
A. 両製品とも油絵具をはがしたい時に使用する画用液ですが、「ネオストリッパー」の方が「ストリッパー」よりも粘度が高く、
剥離力が強い製品となっております。また、筆やパレットで固まってしまった油絵具を取り除きたい時にも使用できます。
A. 油壺の画用液が粘るということはかなり酸化されていると思われます。油壺は画用液を保存するものではなく、絵を描くときだけ画用液を入れておくものです。粘ってきたような画用液を使うのはお奨めできません。面倒でも作業が終わりましたら、油壺は使い終わったら布などできれいに拭き取っておくようにしましょう。
A. 絵具と同じようにキャップと容器が密閉されていれば長期間の保存は可能でしょう。但し、注意点として、周辺での高温物、スパーク、火気の使用を禁止する。容器は直射日光や火気を避け、密閉して換気の良い冷所で保管すること。
このようなことに注意して保管すれば長期の保存は可能になると思われます。
A. 日光に晒して漂白した「サンブリーチドポピーオイル」と高粘度の「ボイルドポピーオイル」の違いは、「ボイルドポピーオイル」の方が、ナマのポピーオイルより堅牢な被膜をつくります。また、高粘度のため刷毛目が出ません。
A. 衣服についた場合、アクリル絵具でしたら直ちに水に浸け、何回か洗濯をすれば落ちる可能性がありますが、アクリル絵具は速乾性ですのですぐ乾燥してしまいます。乾燥したら水には不溶性の絵具ですから落ちなくなってしまいます。
油絵具の場合は衣服の生地にもよって洗い方があるかと思われますが、服の下に当て布をして、ペトロールで叩くように色を落としてから、中性洗剤やせっけん等でもみ洗いしてください。
A. 各自治体によって処分方法が異なりますのでご確認ください。
A. ストリッパーで筆を洗って絵具を取った後、ソフトクリーナー(リンス入り)でよく洗ってください。
A. 油絵具は持ち込めない場合がありますので、事前にご利用の航空会社へお問い合わせください。
画用液とエアゾール製品(スプレータイプのフィキサチーフやタブロー等)は持ち込めません。